香港でFedExがEV配送車両を増強 サステナビリティ目標に前進

8月20日、香港特別行政区において国際物流大手フェデックス(FedEx)は香港における電動車両(EV)車隊を拡充し、新たに6台の電動パネルバンを集配業務に投入したと発表した。これは同社が掲げる「2040年までに世界規模でカーボンニュートラル達成」という目標に向けた一環であり、香港での環境負荷低減と業務効率化を目的としている。

今回導入されたメルセデス・ベンツ製eVitoは、最大積載量913キログラム、1回の充電で約264キロメートルの走行が可能となった。快適性と機能性を備え、香港の主要交通エリアで稼働する。従来の内燃機関車両に比べて排出ガスが少なく、総所有コストも低いとされる。

消費者の意識変化も背景にある。香港の調査では73%がブランド選択においてサステナビリティを考慮し、約半数(49%)は環境配慮を優先しない企業からの購入を減らしていることが示された。フェデックス香港・マカオのマネジングディレクター、アンソニー・リョン氏は「新たなEV導入はグローバルなサステナビリティ推進における香港の役割を強調するものだ」と語った。

同社は2040年までに集配用車両を100%EV化する方針であり、香港でも段階的な導入を継続する。さらに、クラウド型排出量報告ツール「FedEx Sustainability Insights」の提供や、未使用資材の再活用といった取り組みを通じて、循環型サプライチェーンの構築を進めている。

(原文)FedEx Adds New Electric Vehicles to its Hong Kong Delivery Fleet to Accelerate Sustainability Drive
(日本語参考訳)フェデックス、香港の配送車両に新しい電気自動車を追加し、持続可能性への取り組みを加速

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  2. 【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    2025-10-15

    【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  3. AI時代のサステナビリティ情報開示のポイント ー現状チェック項目付ー

    2025-10-13

    AI時代のサステナビリティ情報開示のポイント ー現状チェック項目付ー

    サステナビリティ情報開示は、アナリスト(人間)が読むことを前提とされた構造になっているが、近年は主…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る