
6月2日、米グーグルは、クリーンなエネルギーの未来に向けた投資の一環として、核融合技術開発の有力企業であるTAEテクノロジーズ(TAE Technologies)への協力と投資を強化していくことを明らかにした。グーグルのAI技術を応用することで、TAE社の核融合装置の開発を大きく前進させたという。
両社の協力関係は2015年に始まり、グーグルの研究チームはAIを活用して核融合炉内のプラズマの温度と持続時間の大幅な改善に貢献した。超高温のプラズマは直接観測することが困難なため、AIによる挙動分析が開発の鍵を握っていた。グーグルのエンジニアがTAE社の施設に常駐し、直接的な技術支援を行ってきた。
これまでの共同研究で得られた知見を基に、TAE社は2023年、核融合装置の簡素化に成功し、同社は「ノーム(Norm)」と名付けられた新たな装置を再構築しその有効性を実証した。核融合発電を経済的に実現可能なものにするためには、装置の複雑さとコストを削減することが極めて重要であり、この成功は商用化に向けた大きな一歩となる。
グーグルは2015年からTAE社へ投資をしており、最近行われた同社の最新の資金調達ラウンドにも参加している。これにより、TAE社は実用的な核融合の実現に向けた開発競争において、主要な候補としての地位を固めている。
グーグルは、「クリーンエネルギーの未来に向けた我々の賭けの一つ」として、TAE社が独自の路線で核融合研究を前進させ続けることに期待を寄せている。
(原文)We’re investing for a cleaner energy future with TAE Technologies, a leading nuclear fusion company.