建材大手CRHとHolcim、グリーン・セメントの米国スタートアップに100億円投資

9月24日、低炭素セメント製造を行うスタートアップ、Sublime Systemsは建築資材最大手のCHRとHolcimから7500万ドル(約100億円)の投資を獲得した。本投資で得た資金は米国マサチューセッツ州のSublimeの新たな製造施設の開発・運営に充てられる。

セメント製造は、全世界の温室効果ガス排出量の約8%を占めるとされ、脱炭素化が最も難しい分野の一つである。セメント1,000kgを生産するごとに、900kg以上のCO2が排出されているという現状が課題となっている。

MIT発のSublimeは、独自の製造プロセスを開発し、周囲温度でセメントを製造する電解槽を使用している。この技術により、従来のエネルギーや化石燃料を多く消費するキルン(炉)の使用を置き換え、カルシウム資源を原料として利用することが可能となる。また、通常のセメント製造で使用される石灰石を原料とすることで発生するCO2の放出を回避することができる。石灰石を室温で石灰に変換し、その過程で発生するCO2も容易に捕集できるという特徴がある。

【参照ページ】
(原文)CRH Ventures announces strategic investment in Sublime SystemsHOLCIM INVESTS IN SUBLIME SYSTEMS TO SCALE UP INNOVATIVE LOW-CARBON TECHNOLOGY
(日本語参考訳)CRHベンチャーズがサブライムシステムズへの戦略的投資を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る