EPA、国家試験戦略の一環としてPFAS試験命令を発令

3月25日、米国環境保護庁(EPA)は、EPAの国家PFAS試験戦略に基づき、パーフルオロアルキル物質(PFAS)およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の試験を求める4件目の有害物質規制法(TSCA)試験命令を発出した。

本措置は、3M CompanyとWacker Chemical Corporationに対し、2-(N-メチルパーフルオロ-1-オクタンスルホンアミド)エタノール(NMeFOSE)の物理化学的特性に関する試験を実施し、本化学物質の吸入による健康影響に関する試験を含めて提出するよう命じるもの。NMeFOSEは、家具用コーティング剤(ペンキやニス)だけでなく、衣類やカーペット処理などの製品にも広く使用されている。NMeFOSEは大気中や、水処理プロセスの副産物であるバイオソリッド(農地で肥料としてよく使用される)からも検出されている。また、NMeFOSEは屋外の環境媒体だけでなく、屋内のほこりや空気中にも蓄積することが研究で証明されている。

既存の危険性とデータを徹底的に調査した結果、EPAは、NMeFOSEが健康や環境に不当な危害を及ぼす危険性があると結論づけた。本化学物質への暴露による潜在的危険性には、神経系や免疫系への障害、がんが含まれる可能性がある。

本命令に基づきEPAが入手する情報は、NMeFOSEの人体への影響に関するEPAの理解を深めるだけでなく、NMeFOSEと構造的に類似した100種類以上のPFASの潜在的な人体への影響についても理解を深め、PFASのこの分類に関するEPAの全体的な理解を深めることになる。

試験命令の対象となる企業は、本命令に記載された試験を実施するか、あるいはEPAが検索で特定しなかったが本命令の要件を満たすと思われる既存情報をEPAに提供することができる。

EPAは、不必要な試験の重複を回避するために、各社が共同で試験を実施することを奨励し、また必要な時間、動物実験、および費用を削減するために、必要なすべての評価項目を網羅する試験の組み合わせの可能性を検討する予定。

【参照ページ】
(原文)EPA issues PFAS test order as part of National Testing Strategy
(日本語参考訳)EPA、国家試験戦略の一環としてPFAS試験命令を発令

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    2024-11-18

    ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    サステナビリティを推進には新しい知見の収集が必須。しかし、必要なセミナー情報を見つけるのに時間がか…
  2. ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント

    2024-11-18

    ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント(再掲)

    サステナビリティ情報、非財務情報、ESGデータなど企業のサステナビリティの取り組みを示す情報は、投…
  3. 2024-11-15

    【PR】12/3 記念イベントESG評価スコア改善『S&Pに聞く!2025年に向けたCSA徹底解剖』 (オンライン)

    いつもESG Journal Japanをご覧いただきましてありがとうございます。 ESG評…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る