カルビオス、フランスで世界初のPETバイオリサイクルプラント建設の承認を取得

10月26日、フランスの持続可能なプラスチックベンチャー、カルビオスは、世界初のPETバイオリサイクルプラント建設に向け、フランス当局から建設・操業の両許可を取得したと発表した。本施設は2025年に試験操業を開始する予定で、総投資額は2億3,000万ユーロ(約347億円)。

カルビオスは、酵素を用いたPET(ポリエチレンテレフタレート)のケミカルリサイクルを専門としている。新工場は、グランエスト地域のロングラヴィル市にある既存のPET製造施設に隣接する13.7ヘクタールの敷地に建設される予定で、この施設はタイのインドラマ・ベンチャーズが所有している。カルビオスはインドラマ・ベンチャーズからこの土地を購入した。2022年12月に地元当局に許可申請を提出し、9月28日にムルト・エ・モゼル県知事から、10月24日にロングラヴィル市長からそれぞれ操業許可と建設許可が発行された。

同工場は年間5万トンの使用済みPETを処理する能力を持ち、これは着色済みPETボトル20億本分、またはPET食品トレー25億枚分に相当する。これまでマテリアルリサイクルに適さなかった低品質の廃PETも処理できる。このプロジェクトにより、同地域で150の直接・間接雇用が創出される見込み。この施設は、エネルギーと水資源の両方を考慮し、環境フットプリントを最小限に抑えるよう設計されている。

ロングラヴィル市は、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグに近い戦略的な立地にある。カルビオスとインドラマ・ベンチャーズは、分別収集作業を改善し、2023年までにこの地域から最大40万トンの廃PETを供給し、2030年までに最大50万トンを供給する可能性を見込んでいる。カルビオスはすでに、リサイクルNGOのCITEOによる多層食品トレーのバイオリサイクル入札の一部を落札し、最初の原料供給源を確保している。カルビオス、インドラマ・ベンチャーズの子会社ウェルマン、バルロ・プラストからなるコンソーシアムは、CITEOが提案したトン数の30%を処理する。同社は、2025年に多層食品用PETトレーのリサイクルを開始する予定である。

カルビオスはユーロネクスト・グロースの上場企業で、新施設の建設資金を調達するため、7月に約1億4,000万ユーロ(約211億円)の増資を実施した。インドラマ・ベンチャーズは1億1,000万ユーロ(約166億円)を拠出し、同社はフランスから3,000万ユーロ(約48億円)、グランエスト地方から1,250万ユーロ(約25億円)の助成金を受け取っている。この開発は、プラスチック廃棄物管理のより持続可能なアプローチに向けた重要な一歩となる。

【参照ページ】
(原文)Carbios obtains building and operating permits, in line with announced schedule, for world’s first PET biorecycling plant in Longlaville
(日本語参考訳)カルビオス社、ロングラビルに世界初のPETバイオリサイクリングプラントを建設、予定通り操業許可を取得

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