IOSCO、IFRSの新サステナビリティ報告基準を取り入れるよう規制当局に要請

https://www.esgtoday.com/wp-content/uploads/2023/07/IFRS-1.jpg

7月25日、IOSCOは、「一貫性があり、比較可能で信頼できるサステナビリティ情報への大きな一歩」とし て、IFRSの新しいサステナビリティ開示基準および気候変動開示基準を正式に承認したことを発表した。

この承認により、IOSCOは、世界の金融市場の95%以上を規制する130の加盟国に対し、新基準の規制枠組みへの組み込みを検討するよう呼びかけることになる。

今回のエンドースメントは、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)が先月発表した、サステナビリティと気候変動報告のための新しいグローバル基準、IFRS S1とIFRS S2に続くものである。

IOSCOは早くからISSBプロジェクトを支持することを表明しており、2021年初めには技術専門家グループ(TEG)を発足させ、ISSBと緊密に協力し、国際報告基準開発のための健全な基礎となり得るかどうかなど、ISSBの技術的勧告を評価していた。

IOSCOは、承認発表の声明の中で、この基準は「資本市場が持続可能性に関連した財務情報の利用を発展させるためのグローバルな枠組みとして適切である」と判断したと述べた。

IOSCOのサステナブル・ファイナンス・タスクフォースのロドリゴ・ブエナベンチュラ議長は、本日の発表を「重要なマイルストーン」と呼び、今回の承認により、世界の資本市場は信頼性が高く、一貫性があり、比較可能なサステナビリティ関連情報にアクセスできるようになり、投資家はサステナビリティのリスクと機会を評価し、投資判断を下すことができるようになる」と述べた。

IOSCOの承認と同時に、IFRS財団は、規制当局が新基準を導入するのをサポートするために開発中の仕組みについて説明した、規制当局向けの導入ガイドの概要を発表した。

【参照ページ】
(原文)IFRS Sustainability Disclosure Standards endorsed by international securities regulators
(日本語訳)国際財務報告基準(IFRS)サステナビリティ開示基準が国際証券規制当局に承認される

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る