ダボス会議2026で議論されたサステナビリティテーマを解説ーー「経営レジリエンス」の重要性

ダボス会議2026で議論されたサステナビリティテーマを解説ーー「経営レジリエンス」の重要性

2026年1月19日から23日にかけてスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(World Economic Forum Annual Meeting)では、地政学リスクの高まりが改めて強く意識された。カナダのマーク・カーニー首相による「新たな国際秩序」への連携呼びかけも大きな注目を集めた。

しかしダボス会議は「政治・安全保障」の議論だけでなく、企業のサステナビリティ実務にとって重要な論点が最も凝縮される場でもある。というのも、投資家を含むグローバルなステークホルダーが「いま何を最重要課題と捉えているのか」が明確になるからだ。

本会議では特に、サステナビリティにおける「レジリエンス」が、単なる環境対応ではなく経営戦略そのものに近い論点として語られた点に注目が必要だろう。本記事では「ダボス会議2026で議論されたサステナビリティ論点」を整理し、企業が優先すべき実務対応のヒントを提示する。

サプライチェーン・レジリエンスが最重要論点に

ダボス会議に先立ち、2026年1月14日に世界の主要リスクを短期(2年)・長期(10年)の時間軸で整理した「The Global Risks Report 2026」が発行された。

本レポートは1,300人超の専門家・リーダーによるGlobal Risks Perception Survey(GRPS)をもとに、33のグローバルリスクの影響度を評価している。
その結果、短期的に最も深刻なリスクとして浮上したのが、「地経学的対立(Geoeconomic confrontation)」の急上昇であった。

この背景には、不安定なサプライチェーン、長期化する紛争、資源アクセス制約が企業経営に広範な影響を及ぼし得るという認識がある。したがって企業にとっては、直接操業だけでなくバリューチェーン全体のレジリエンス評価が不可欠となっている。

また短期リスク上位には「誤情報・偽情報」「社会の分断」「不平等や健康・ウェルビーイング低下」など社会的リスクも目立つ。一方で環境リスクは短期順位を下げたが、これは「重要性低下」ではない。むしろ短期では“地経学×社会”が前面化する一方で、10年スパンでは環境リスクが依然として最上位であると整理されている。

この先では、ダボス会議2026で提示された「企業レジリエンス経営」の具体対応策を整理していく。

■森林・ネイチャー資本をめぐる新たな投資家論点
■AI活用に関連するサプライチェーン管理
■CDPが示すサスティナビリティ戦略4つの対応レバー

を実務で使える形で解説していく。


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執筆者紹介

マルティネス リリアナ (スペシャリストライター)
サステナビリティ学修士。シンクタンクにて海洋・大気環境に関する政策の策定支援を行う。国際海事機関(IMO)ではTechnical Advisorとして国際議論への参加経験を積み、その後、気候変動課題を中心に企業向けにコンサルティングを行う。非財務情報開示フレームワークからサステナビリティの国際動向まで幅広くコラムやホワイトペーパーで解説。

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