欧州委、企業サステナビリティ法案準備で手続き違反 欧州オンブズマンが是正勧告

11月25日、欧州オンブズマンは欧州委員会が企業のサステナビリティ報告およびデュー・ディリジェンスに関する新たな立法案の準備において、「より良い規制ガイドライン(Better regulation guidelines)」に従わなかったとして調査を開始した。8つの市民団体からの苦情(提出日:2025年4月18日)を受けたものだ。

問題となったのは、欧州委がこの立法提案を行う際、事前の影響評価気候整合性評価、パブリックコンサルテーション(公的協議)を実施しなかったことだ。市民団体は、ガイドラインに反する形で法案が準備されたとして、透明性と証拠に基づく政策形成の欠如を指摘していた。

オンブズマンは欧州委に対し、緊急性が認められる状況の正式な定義を設けたうえで、緊急時であっても透明で証拠に基づき、市民参加を確保できる手続きについて説明を求めた。さらに、ステークホルダー協議のルール明確化や、立法前に必要な証拠を公表して社会的議論を可能にすることなど、4点の具体的提案を示した。

(原文)The European Commission’s failure to comply with its ‘Better regulation guidelines’ in preparing a legislative proposal on corporate sustainability reporting and due diligence

関連記事一覧