
9月11日、資産運用会社ロベコはユーロ圏の政府債市場において新たなアクティブETF「Climate Euro Government Bond ETF」を導入したと発表した。同ETFは、伝統的な債券インデックスに近いリスク・リターンを維持しつつ、グリーンボンドおよび気候政策に優れた国の国債に重点配分することで、脱炭素への資金動員と安定運用の両立を図る。
このETFは、低排出国を単純に選ぶのではなく、排出削減に向けた野心的かつ実効的な政策を実施している国を対象とする。また、再生可能エネルギーや交通電化など排出削減に直結するプロジェクトを資金面で支えるグリーンボンドへの投資を強化する。評価指標にはASCORデータセットを用い、「意欲」「政策」「実績」の3本柱から各国の進捗を測定する。
参照指標にはFTSE Climate Collective Transition EMU Broad Government Bond Indexを採用し、従来のEMU国債指数を基盤としつつ、グリーンボンドの比率を倍増し、気候スコアに応じて国ごとの比重を調整する。これにより流動性と分散を確保しながら、少なくとも同水準の「グリーン度」を実現するように図る。
従来型国債の安定性と流動性を損なわない点も特徴である。例えばオーストリアは気候先進国であるが、50年超の超長期債を多く発行しており、比率増加は金利変動リスクを高める可能性がある。ロベコは国単位ではなく銘柄単位で配分することで、通常満期債への投資を拡大し、安定的なリスクプロファイルを維持する。
シミュレーションによると、同ETFは従来型指数と近い収益特性を持ちながら、グリーン指数以上の環境配慮を達成している。結果として投資家は、ポートフォリオの核となる国債の役割を保持しつつ、サステナビリティへの資金動員を可能にする。
(原文)Introducing Robeco’s Climate Euro Government Bond ETF
(日本語参考訳)ロベコの気候変動ユーロ国債ETFのご紹介