
9月、英気候テック企業Planet Markは、スティーブ・マルキン創業者兼CEOの後任としてアヴィタル・ヨハナンを新CEOに迎えることを発表した。ヨハナンは2024年からチーフ・プロダクト・オフィサーとして製品改革を牽引しており、IHS Markitでの経験を通じたデータ駆動型の製品開発力に強みを持つ。
この体制変更の背景には、企業のScope3への対応ニーズの高まりと、それに伴うサプライチェーン管理の進化がある。多くの企業がソフトウェアを導入し、トップダウン型の炭素可視化に取り組んでいるものの、現場レベルではサプライヤーの関与不足やツール未活用といった課題が浮上している。Planet Markは、こうした“数値化だけ”の限界に対して、人材育成と関与強化を軸としたグラウンドアップ型アプローチで差別化を図ってきた。
同社は現在、英Veriforce社のサプライチェーン部門の一員として、数万のサプライヤーとつながるエコシステムを有しており、グローバル展開を加速する基盤も整っている。Planet Markの強みは、上流のカーボン測定と下流の行動変容支援を統合することで、実効性のあるカーボン削減を企業にもたらす点にある。ヨハナン氏は「変革はスプレッドシートではなく、“人のいる現場”で起きる」と述べ、現場主導型のサステナビリティ支援の重要性を強調した。
今後は、エンドツーエンドの認証商品を通じて、顧客企業のサプライチェーンをそのままネットゼロ移行プログラムに組み込むモデルを拡大していく方針だ。中小企業から多国籍企業まで、規模や地域を問わずサステナビリティ実装を加速させるべく、教育・関与・能力構築に重点を置いたサービス提供を目指す。同時に、Veriforceのネットワークとデータ基盤を活用し、炭素削減の“測定→行動→証明”の全工程を一体化する構想が進む。
マルキン創業者は今後もシニア・アドバイザーとしてコミュニティと関わり続ける。同氏は「サステナビリティは成長と競争優位の源であり得る」と語り、ヨハナンの新体制のもとで「サプライチェーン全体でのインパクト創出」を推進していくとした。
(原文)A new chapter for Planet Mark: Leadership transition and the future of supply chain sustainability
(日本語参考訳)プラネットマークの新たな章:リーダーシップの移行とサプライチェーンの持続可能性の未来