【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TISFD(不平等と社会関連の財務情報開示タスクフォース)が「人的資本」「人権」「公平・平等」といった社会領域について国際的なフレームワークを検討・策定しており、2026年末の初版公表が予定されている。
TISFDのフレームワークは、TCFD、TNFDにつづき、国際的な社会領域における開示基準として参照される可能性が高く、対応するために内容を十分に理解しておく必要があるだろう。

本稿では、TISFDが刊行している「Proposed Technical Scope」(2025年3月)「People in Scope」(2025年1月)に基づき、提言内容、背景やアプローチ手法について解説する。また、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)や有価証券報告書における「人的資本開示」との関係性も説明する。

人的資本や社会領域での開示内容を投資家のニーズに合致させたい、ISSBの動向とどう関連するのか把握したいなど、現状の社会領域の開示の質を高めるには、TISFDへの理解は欠かせないだろう。

将来的にTISFDのフレームワークにて開示を行う場合に備え、概要を理解・把握するためにも、続きを読んでぜひ自社の人的資本開示や社会のテーマへの課題対応への取り組み向上にご活用いただきたい。

TISFDの概要

TISFDとは

TISFDは、2024年に不平等関連財務情報開示タスクフォース(TIFD)と、社会関連財務情報開示タスクフォース(TSFD)が統合し発足した。目的は、市民や労働者の不平等や社会問題が与える財務への影響を評価し開示することを支援することにある。また、TISFDのフレームワークは、TCFDやTNFDと同様に、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」という四つの柱の構造が基本となる予定だ。


つづきは無料会員登録(名前・メール・会社名だけ入力)を行うと閲覧可能!!

会員登録の4つの特典

定期便!新着のESGニュース

読み放題!スペシャリスト解説

速報!お役立ち資料・ツール

会員特別イベントのご案内!

すでに登録済みの方はログイン

執筆者紹介

竹内 愛子 (ESG Journal 専属ライター)
大手会計事務所にてサステナビリティ推進や統合報告書作成にかかわるアドバイザリー業務に従事を経て、WEBディレクションや企画・サステナビリティ関連記事の執筆に転身。アジアの国際関係学に関する修士号を取得、タイタマサート大学留学。専門はアジア地域での持続可能な発展に関する開発経済学。

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  2. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…
  3. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る