サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会:International Sustainability Standards Board)で定義されている「ISSBタクソノミ」を基本としたものになりそうだ。本タクソノミの採用により、国際標準に即した形でサステナビリティ情報をデジタル開示できることになる。

ただし、これまでタクソノミによる報告は、法定開示として財務情報が主たる対象であった。しかし、サステナビリティ情報開示は、幅広い開示項目があるため、サステナビリティ部門と他部門が連携したチームでの対応が必要になるだろう。

本稿では、タクソノミやXBRLとは何かなど、関連する情報を実務の流れの中で解説する。また、日本のEDINETタクソノミが採用するISSBのタクソノミについても合わせて解説する。

日本のサステナビリティ・タクソノミ開発

タクソノミ開発は、日本のサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)の適用に伴う環境整備の一環である。※SSBJ基準は、2027年3月期からプライム企業の一部から開始される予定。時価総額3兆円以上のプライム市場上場企業から段階的に義務化される。

日本のサステナビリティ開示においては、IFRSが開発した「ISSBタクソノミ」が採用される想定がされている。これは、SSBJ基準自体もISSB基準と整合するところが多いためである。ただし、SSBJ基準独自の開示項目(もしくは、有価証券報告書など法令化された開示項目)があるため、該当する項目については日本独自のタクソノミが開発される予定だ。

ISSBタクソノミ + 日本独自タクソノミ(人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針等、準拠法令、公表承認日、承認機関等)


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執筆者紹介

竹内 愛子 (ESG Journal 専属ライター)
大手会計事務所にてサステナビリティ推進や統合報告書作成にかかわるアドバイザリー業務に従事を経て、WEBディレクションや企画・サステナビリティ関連記事の執筆に転身。アジアの国際関係学に関する修士号を取得、タイタマサート大学留学。専門はアジア地域での持続可能な発展に関する開発経済学。

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