サンドズ、再生可能エネルギー導入で欧州事業の電力需要の約9割を賄う契約締結

8月12日、後発医薬品とバイオシミラー医薬品の世界的リーダーであるサンドズはスペインの再生可能エネルギー大手エラワン・エナジー(Elawan Energy)と10年間のバーチャル電力購入契約(PPA)を締結したと発表した。

契約に基づき、両社はスペイン・バリャドリードを中心に総容量150メガワットの太陽光発電プロジェクトを新設し、サンドズの欧州拠点の電力需要の約90%を賄う見通しだ。同社にとって本契約は脱炭素化戦略を具体化する重要な一歩であり、持続可能な事業運営へのコミットメントを強化するものとなる。

同社の製造・供給最高責任者(CSO)グレン・ゲレッケ氏は声明で「環境の持続可能性は私たちの事業の中核をなす価値だ。エラワン・エナジーとの協働により、欧州事業の大部分を再生可能エネルギーで賄えることは、当社の環境負荷削減と持続可能な未来への取り組みを前進させる」と述べた。

科学的根拠に基づく気候目標へ

今回の取り組みは、同社がグローバル規模で進める脱炭素化施策の一環。サンドズは2024年に「Science Based Targets Initiative(SBTi)」への参加表明を行い、2026年1月末までに科学的根拠に基づいた排出削減目標を提出するとしている。今回の欧州でのPPAは、その達成に向けた具体的ステップの一つだ。

サンドズは、世界100カ国以上に約2万人の従業員を有し、年間9億件以上の治療提供を通じて医療アクセスの拡大に貢献している。2024年の売上高は104億米ドルに達し、医薬品の低価格化と社会的影響力の拡大を推進している。

(原文)Sandoz launches renewable energy partnership to cover nearly 90% of electricity demand for European operations
(日本語参考訳)サンドスは、欧州事業の電力需要の約90%をカバーする再生可能エネルギーパートナーシップを開始した。

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-8

    欧州委員会、サステナビリティ報告関連法規(第三国ESRS)の制定を延期へ

    10月6日、欧州委員会は金融サービス分野における115の「重要ではない2次法(regulatory…
  2. SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    2025-10-7

    SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    サステナビリティ情報開示の質を高めることは、今や重要な経営課題である。単なる開示義務の遵守ではなく…
  3. 2025-10-7

    投資家が注目する「気候対応」クライメイトウィーク2025が示した新潮流

    9月21日から28日まで国連総会と並行して開催されたクライメイトウィークNYC 2025は過去最大…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る