
8月12日、アイルランドを拠点とするグローバルな気候技術革新企業であるトレーン・テクノロジーズは、「BrainBox AI Lab」の設立を発表した。同研究所は、建築環境および冷蔵輸送における暖房・換気・空調(HVAC)ソリューションのエネルギー最適化を目的とした新たな研究拠点となる。
「BrainBox AI Lab」は、よりインテリジェントで効率的かつ持続可能なビル運用を支援する技術革新の推進を目指す。トレーン・テクノロジーズは自社の製品やソリューションにAIを組み込むことで、建物の完全なデジタル化への市場移行を主導する構えだ。
トレーン・テクノロジーズのリアズ・ライハン最高デジタル責任者は、「この研究所を通じて、世界クラスの人材と先進技術を結集させ、次世代の気候変動イノベーションを形成していく。エネルギー、排出ガス、運用コスト削減に対する需要は高まり続けており、この取り組みは我々の戦略において重要な要素だ」と述べた。
「BrainBox AI Lab」は、研究・協業・実証実験の拠点として機能し、業界の新たな基準の確立を目指す。自律制御システムや予測モデル、アルゴリズム開発を推進することでエネルギー利用を高度化し、排出量削減に貢献する。さらに「エージェント型AI」や「物理学に基づくニューラルネットワーク」といった最先端分野の研究にも注力し、建築環境全体のデジタルトランスフォーメーションを実現する。
同研究所の責任者で、BrainBox AIの社長でもあるジャン=シモン・ヴェンヌ氏は次のように語った。「AIは想像を絶する速さで進化しており、人類の大きな課題を解決する類まれな機会を生み出している。我々の責任は、迅速に革新するだけでなく、賢明かつ持続可能な方法でそれを行うことだ。」
なお、トレーン・テクノロジーズは2025年1月、持続可能な自律型ビルソリューションへの需要拡大を背景に、AI技術に強みを持つBrainBox AIを買収した。両社は買収以前から2年以上にわたり協業関係を築いており、今回の研究所設立はこれまでの取り組みをさらに発展させるものとなる。