
7月27日、米投資大手KKRは豪州のクリーンピーク・エナジー(CleanPeak Energy)と戦略的提携を結び、5億豪ドル(約525億円)を投じて同社の分散型エネルギー事業を急拡大させると発表した。企業の脱炭素化やエネルギーコスト削減への需要が高まる中、太陽光発電や蓄電池ソリューションの提供を強化する。本件は、KKRの「グローバル気候変動移行戦略」ファンドによるアジア太平洋地域での初の投資案件となる。
今回の投資は、クリーンピークが手掛ける豪州の法人・産業向け(C&I)の分散型太陽光発電、蓄電池、マイクログリッド(小規模電力網)の開発パイプラインの成長を支援するために行われる。
KKRアジアのニール・アローラ気候変動移行戦略責任者は、「豪州の法人・産業向けエネルギー市場は、企業がエネルギー効率、信頼性、価格の改善を模索する転換点を迎えている。クリーンピークの実績ある事業基盤とKKRのグローバルネットワークを組み合わせることで、脱炭素化と光熱費削減を目指す法人顧客に大きな機会を提供できる」と述べた。
クリーンピーク社は2017年に設立され、豪州の優良企業向けに資金調達を含めた統合型の太陽光・蓄電池システムを提供する大手。現在、国内50カ所以上で発電所を運営し、太陽光発電資産140MW以上、蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)35MWh以上を保有している。
同社のフィリップ・グラハム最高経営責任者(CEO)は、「顧客向けの再生可能エネルギーソリューションを急拡大させる上で、KKRは完璧な戦略的パートナーだ。彼らの専門知識と資金力により、当社の成長計画を加速させることができる」と歓迎の意を示した。
KKRは2010年以降、気候変動および環境サステナビリティ分野に340億米ドル以上を投じてきた実績がある。今回の投資は、KKRの「グローバル気候変動移行戦略」から行われる6件目の案件となる。
本取引は、慣習的な規制当局の承認を経て、2025年後半に完了する見込みである。