ファイバー・グローバル、2,000万ドルを調達

6月17日、米国のサステナブル建材スタートアップ、ファイバー・グローバルは、シリーズAラウンドで2,000万ドル(約32億円)を調達したと発表した。リード投資家はDBL Partnersで、同ファンドの創業者Ira Ehrenpreisが取締役に就任する。今回の資金調達により、米国内での製造能力拡張と、同社が展開する廃棄物由来の循環型建材プラットフォームのスケールアップを図る。

ファイバー・グローバルは、世界中に存在する膨大な産業廃棄物を再資源化し、耐久性・性能に優れた建材へと転換する独自技術を有する。製品はホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)を含まず、UL GREENGUARD GOLD認証を取得している。建材は世界の温室効果ガス排出量の約1割を占めるとされ、同社は「気候にポジティブな建材産業」の実現を掲げ、脱炭素化と経済性の両立を目指す。

創業者でCEOのKC McCreeryは、「DBL Partnersの支援は資金面にとどまらず、日々の経営・成長戦略にも積極的に関与してくれている。今回の資金調達により、我々は米国での製造体制をさらに拡大し、製品提供を加速させる」とコメントした。

建材の脱炭素化とサプライチェーンの多様化に関心が高まる中、ファイバー・グローバルの製品は、パフォーマンス・コスト・環境性の三拍子を備えた選択肢として、業界関係者からの注目が集まっている。シリーズAラウンドは、同社の技術力と商業的な成果を裏付けるものであり、今後の更なる事業展開を後押しするものとなりそうだ。

(原文)Fiber Global Raises $20 Million Series A to Scale Circular Building Materials Platform

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-6-26

    EU炭素国境措置、簡素化で合意 中小企業の9割が対象外に

    6月13日、欧州議会とEU理事会は、域外からの輸入品に事実上の炭素税を課す「炭素国境調整メカニズム…
  2. 2025-6-25

    IFRS財団、ISSB基準の実務導入を支援する新eラーニングモジュールを公開

    6月13日、IFRS財団は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が策定した基準の理解と導入を…
  3. 2025-6-25

    バーゼル委員会、銀行の気候リスク開示・自主的枠組みを公表

    6月13日、世界の主要な銀行規制当局で構成されるバーゼル銀行監督委員会は、銀行が抱える気候関連の金…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る