
4月7日、消費者庁は「いわゆる『ダークパターン』に関する取引の実態調査」について発表した。ダークパターンとは、ユーザーに不利な選択をさせたり、意図しない行動を促したりするよう設計されたユーザーインターフェース(UI)を指す。近年、ECサイトやアプリなどで広く見られるようになっており、消費者被害との関係が指摘されていた。
調査は、国内の消費者が実際に閲覧・取引しているウェブサイトを対象に、消費生活相談情報に基づきトラブルの可能性があるものや、売上規模から利用者が多いと見られるサイトを抽出。調査担当者が手作業で具体的な事例の収集・分析を行い、ダークパターンの分類を試みた。
本調査では、商品やサービスの購入プロセスの中で、ダークパターンがいつ、どのように使用されているかを把握することを目的としており、国内外の先行研究の手法を参考にしつつ、詳細な観察を実施している。
あわせて公表された「ダークパターン事例イラスト集」では、具体的な15の事例がイラスト付きで紹介されており、どのような場面でどのような手口が使われるのかが一目で分かるよう工夫されている。たとえば、解約ボタンが見つけにくい、デフォルトで高額オプションが選択されている、急かすようなカウントダウン表示など、消費者が無意識のうちに不利な選択をしてしまうよう誘導される例が挙げられている。
消費者庁は、「自分も周囲の人も、ダークパターンの巧妙なひっかけに気づき、惑わされないよう落ち着いて確認・判断することが大切だ」と注意を呼びかけている。