アセットオーナーにおけるESGデータ需要が増大:Morningstar

9月24日、Morningstar, Inc.は第3回「Voice of the Asset Owner」調査結果を発表し、ESGの重要性が市場全体で広がり、アクティブオーナーシップが強化され、ESGデータへの需要が増大していることを明らかにした。

本調査には、北米、欧州、APAC地域の11か国にわたる500名のアセットオーナーが参加し、総資産は約18兆ドルに達した。対象には年金基金、保険会社、OCIO、ファミリーオフィスが含まれ、6割が10億ドル以上、29%が100億ドル以上を運用している。

調査結果によれば、67%のアセットオーナーがESGが昨年よりも重要であると回答し、運用資産の平均42%がESG要因を組み込んでいる。特に欧州が牽引しており、ESGの「環境」要因だけでなく、「社会」と「ガバナンス」も重要視されている。

アセットオーナーの多くが、アクティブオーナーシップがESGプログラム実装に有用だと考え、直接的な企業との対話が最も効果的な手法とされている。また、ESGデータの正確性や報告の標準化が今後の課題であり、多くがAI技術の導入による革新を期待している。

【参照ページ】
(原文)Active Ownership, Growing Materiality & Data Demand Drive ESG Implementation for Asset Owners
(日本語参考訳)積極的なオーナーシップ、重要性の高まり、データ需要が資産保有者の ESG 導入を促進

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…
  2. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  3. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る