SBTiのカーボンクレジット方針見直しとその影響:基準の見直しの最新議論を解説

SBTiのカーボンクレジット方針見直しとその影響:基準の見直しの最新議論を解説

SBTi(Science Based Targets Initiative)が2024年に発表したカーボンクレジット利用方針の変更は、企業の気候変動対策に大きな影響を与える可能性がある。一度は認められたカーボンクレジットの活用が再び見直される背景には、どのような議論があったのか。今後、カーボンクレジットによるスコープ3の排出量のオフセットを受け入れるかどうかはまだ確定的ではない状況だ。

※これまでのSBTiのスタンスは、直接的な排出削減を優先し、カーボンクレジットの利用を認めない方針だったが、今回の発表はそれとは大きく異なる判断だった。

本コラムではSBTiによるスコープ3ガイドラインの変更検討が動き出した背景や現在の議論の主要ポイントをまとめ、実際にカーボンクレジットがSBTiフレームワークで活用できるようになる可能性について解説する。

SBTiのおさらい

SBTi(Science Based Targets Innitiative)とは、地球温暖化を、産業革命以前に比べて1.5度に抑えるという世界的目標の達成を促す科学根拠に基づく目標設定(SBT)を認定する団体である。


以降のコンテンツは無料会員登録を行うと閲覧可能になります。無料会員登録を行う

すでに登録済みの方はログイン画面へ

執筆者紹介

マルティネス リリアナ (ESG Journal 専属ライター)
サステナビリティ学修士。シンクタンクにて海洋・大気環境に関する政策の策定支援を行う。国際海事機関(IMO)ではTechnical Advisorとして国際議論への参加経験を積み、その後、気候変動課題を中心に企業向けにコンサルティングを行う。非財務情報開示フレームワークからサステナビリティの国際動向まで幅広くコラムやホワイトペーパーで解説。

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-9-11

    ESMA、第2回リスク監視報告書を発表し、ESG投資の減速を指摘

    8月29日、欧州証券市場監督局(ESMA)は2024年の第2回リスク監視報告書を発表した。同報告書…
  2. 2024-9-11

    Microsoft、EDPRと20年間の再生可能エネルギー購入契約を締結

    8月26日、再生可能エネルギー生産会社のEDP Renewables(EDPR)は、Microso…
  3. 2024-9-11

    気候技術企業のCarbon Caputure、DACプロジェクトの一時停止を発表

    8月30日、気候技術企業のCarbon Caputureは、新たに声明を発表し、現在の同社の計画に…
ページ上部へ戻る