2月15日、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、持続可能な貿易イニシアティブ(IDH)、Shift、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)、BCTI、Bチーム、生活賃金財団、AIM-プログレスは、国際労働機関(ILO)に対し、生活賃金の国際規範を強化する共同声明を発表した。
本共同声明は、2月19日から23日まで開催されるILO賃金政策専門家会合に向けて行われたもの。ILOは同会議の事前資料として生活賃金に関する調査レポートを発行した。報告書では、既存の国際レベルや各国レベルの生活賃金イニシアティブの活動の影響がまだ弱く、生活賃金の根本的な課題が考慮されていないことが指摘された。
ILOはまた、これまで賃金に関するガイダンスを提供してきたが、生活賃金については積極的にアプローチしていなかったことを自戒し、今回の専門家会合での議論に注目が集まると述べた。
共同声明では、ILO専門家会合での議論に期待しつつ、以下の3つの内容を要請している。
- 労働者と扶養家族のニーズに焦点を当て、人権基準に沿った生活賃金の標準的な定義を策定すること。
- 透明性のある生活賃金を推定するための方法論の基準を開発し、企業や労働組合が使用できるようにすること。
- 企業向けに生活賃金実行ロードマップに関するガイダンスを提供すること。
UNGCは、生活賃金の改善には、バリューチェーン全体での協力的な解決策が必要であり、ILOが主導的な役割を果たすことを求めている。
本声明は、生活賃金の国際的な規範の向上を目指す重要なステップであり、労働者の権利と福祉を促進するための包括的な取り組みの一環として注目されている。
【参照ページ】
(原文)Joint Statement at ILO meeting of experts on wage policies, including living wages
(日本語参考訳)生活賃金を含む賃金政策に関するILO専門家会合で共同声明