イベルドローラと世界銀行、新興国の再生可能プロジェクト向けに500億円のグリーンローンで提携

1月8日、スペイン電力大手イベルドローラは、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)と共に、ESG基準に連動した3億ユーロ(約500億円)の融資を、モロッコ、ポーランド、ベトナムなど、石炭などの化石燃料に依存する国々での再生可能エネルギー・プロジェクト向けに締結した。

合意された金額のうち1億7,000万ユーロ(約270億円)については、すでにポーランドの陸上風力発電プロジェクトへの融資が決定している。さらに両機関は、洋上風力発電やグリーン水素発電など、新興国における新たな革新的クリーン・エネルギー・プロジェクトの開発を支援するための協力オプションの分析を続けている。

今回の融資は、2つの戦略的ESG目標を達成することを条件としている。1つ目の目標は、2030年までに、スコープ1、2、3を含め、会社の事業、顧客、サプライチェーンから排出される直接的・間接的なGHG絶対量について、2020年比60%以上の削減。第二の目標は、2030年までにイベルドローラの設備容量の2倍以上の拡大で、2023年第3四半期末現在、クリーンな発電容量は4万1000kWを超えている。

本融資は、新興国におけるエネルギー転換を促進するために昨年5月に締結された協力関係の一環である。その際、ブラジルのイベルドローラ子会社が運営する配電網のデジタル化とエネルギー効率改善に融資するため、サステナビリティ目標に連動した1億5,000万ドル(約220億円)のグリーンローンが締結された。これに先立つ2022年、IFCはすでにネオエネルジアに1億1,500万ドル(約170億円)の融資を行っていた。

イベルドローラは、2014年にスペイン企業として初めてグリーンボンドを発行。同グループは現在、200億ユーロ(約3兆円)近いグリーンボンドを発行している。

2023年、IFCは開発途上国の民間企業や金融機関に対し、過去最高額の437億ドル(約6.5兆円)の投資を実行。

【参照ページ】
(原文)Iberdrola and the World Bank extend their partnership with a 300 million green loan for renewable projects in emerging countries
(日本語参考訳)イベルドローラと世界銀行、新興国の再生可能プロジェクト向けに500億円のグリーンローンで提携を拡大

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