フォード、PT Vale Indonesia及び華友鈷業とニッケル契約を締結

3月30日、PT Vale Indonesiaと中国の華友鈷業は、世界的な自動車大手のフォードと合意し、インドネシアでより持続可能なニッケル生産を進め、EVのバッテリーをより安価にするための3者協力関係を構築すると発表した。

3社は、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が出席した式典で、最終合意書を締結し、ポマラア・ブロック高圧酸浸出法(HPAL)プロジェクトに資本参加することを決定した。

本プロジェクトでは、PT Vale Indonesiaが保有するポマラアブロック鉱山から供給される鉱石を処理し、MHPを製造する。HPALプラントは、インドネシア南西部スラウェシ州コラカのポマラアブロックニッケル工業地区において、PT Kolaka Nickel Indonesiaの下で操業される予定である。本プロジェクトは、規制当局の承認を前提として、ニッケルを多く含む正極を持つEV用バッテリーに使用される低コストのニッケル製品である混合水酸化物沈殿物(MHP)の形で、年間最大120キロトンのニッケル含有量を生産することができる。

本プロジェクトは、すでに初期段階における準備を開始しており、今年中に本格的な建設を開始、2026年に商業運転を開始する予定である。本締結は、自動車産業のEVシフトに不可欠な材料を提供し、インドネシアのEV製造産業を強化する。さらに、2026年末までに200万台のEV生産ランレートの実現も掲げている。

本契約は、昨年11月に行われたPT Vale Indonesiaのポマラー・ブロックの起工式に続くもの。本ブロックは、最大67.5兆ルピア(約6,000億円)を投資する国家戦略プロジェクトであり、12,000人の建設雇用を生み出すことが期待されている。

【参照ページ】
(原文)PT VALE INDONESIA AND HUAYOU SIGN NICKEL AGREEMENT WITH FORD MOTOR CO. SUPPORTING GROWTH OF THE GLOBAL SUSTAINABLE EV INDUSTRY
(日本語訳)フォード、PT Vale Indonesia及び華友鈷業とニッケル契約を締結

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る