Occidental、世界最大規模のDACプラントの建設を計画

Occidentalが世界最大規模の空気直接捕捉装置の建設を計画

8月25日、国際的なエネルギー企業であるOccidental(Oxy)とその炭素回収・利用・隔離プラットフォーム子会社である1PointFiveは、テキサス州パーミアン・ベースンで大規模な直接大気回収(DAC)プラントの建設を開始する計画を発表した。

建設開始時には年間最大50万トンの二酸化炭素を回収する能力を有し、最大100万トンまで拡張可能な本プラントは、これまでのDACプロジェクトの中で世界最大となる。

DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気中から直接CO2を抽出して原料として利用したり、貯蔵と組み合わせて永久に除去するものである。今年初めに発表されたIPCCの気候変動緩和に関する画期的な研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオでは、二酸化炭素の除去方法は今後数十年にわたって年間数十億トンにまで拡大し、DACはそのうちのかなりの部分を占める可能性があるとされている。

敷地の準備と道路工事を含む施設の第一段階の建設は、今年後半に開始される予定で、スタートアップは2024年後半となる見込みだ。Occidentalは、再生可能エネルギーのプラットフォームであるOrigis Energyと、DAC工場などにゼロエミッションの太陽光発電を提供する契約を結んでいる。

1PointFiveは、DAC技術の商業化と大規模展開のために気候ソリューション企業のカーボンエンジニアリングと提携し、エンジニアリング、調達、建設(EPC)サービスに関してワーレーと実質的な条件に合意し、年内にEPC契約の最終合意に向けて作業する見込みだと述べている。1PointFiveは、現在のコンプライアンスと市場シナリオのもと、2035年までに全世界で70のDAC施設を展開するシナリオを発表している。

【参照ページ】
(原文)Occidental, 1PointFive to Begin Construction of World’s Largest Direct Air Capture Plant in the Texas Permian Basin
(日本語訳)Occidentalと1PointFive、テキサス州パーミアン・ベースンで世界最大規模の空気直接捕捉装置の建設に着工

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る