ナイキとSyre、循環型ポリエステル実用化へ長期提携を発表 ― アパレル循環化の転換点

11月11日、H&Mグループが設立したリサイクル会社のSyreは、ナイキとの複数年にわたるパートナーシップ締結を公表した。同社は繊維から繊維へのリサイクルを大規模に行う企業であり、今回の提携により、ナイキは同社をテキスタイル由来再生ポリエステルの主要戦略サプライヤーと位置づける。両社は数年以内に、Syreの循環型ポリエステルをナイキのコア・パフォーマンスラインに段階的に組み込む計画だ。

両社の長期的な目標は、使用済み繊維を次世代のパフォーマンス製品の原料へと戻すクローズドループ型エコシステムの拡大である。ナイキの素材調達戦略にとって循環型ポリエステルは重要であり、VPマテリアルサプライチェーンのシトラ・ムザファロワ氏は「革新はナイキのDNAであり、繊維to繊維の再生ポリエステルは、最高水準の性能とサステナブル性を両立するうえで不可欠だ」と述べた。

Syreにとって、世界的スポーツブランドとの提携は循環素材の商業化を本格的に進める新たな段階を意味する。CEOデニス・ノベリウス氏は「これは単発の取り組みではなく、循環型素材が概念から大規模な商業現実へと移行する瞬間だ」と強調した。

Syreはベトナムで2027年に建設開始を予定する大規模リサイクル施設を含め、世界的なリサイクルネットワーク構築を進めている。今回の提携はその基盤をさらに強化し、H&MグループやGAP、Houdini Sportswear、Targetなど既存パートナーに続く新たな推進力となる。

ノベリウス氏は「真の協働が循環化を加速させる」と述べ、地域ごとのサプライチェーン構築が「テキスタイル・シフト」を前進させる鍵であると語った。

(原文)Syre announces partnership with Nike to scale circular polyester
(日本語参考訳)Syre社、循環型ポリエステル生産拡大のためNike社と提携を発表

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