Carbon Direct、気候テック企業Pachamaを買収 ー 科学的炭素管理の統合強化へ

11月11日、科学的手法に基づく炭素管理を手がける米Carbon Directは、森林炭素プロジェクトのデジタル監視技術で知られる気候テクノロジー企業Pachamaを買収したと発表した。この買収により、Carbon Directは自社の科学的専門性と助言サービスに、PachamaのAI・データ解析技術を統合し、森林炭素プロジェクトのモニタリング、報告、検証(MRV)分野での能力を大幅に強化する。

Carbon Directは2020年設立以来、70人以上の科学者と市場専門家を擁し、世界150社超の企業に対し、CO2除去、炭素測定、クリーン電力導入、低炭素エネルギー戦略などに関する助言を提供してきた。一方、2018年創業のPachamaは、衛星データとAIを用いた森林炭素クレジットの検証・管理技術で業界をリードし、デジタルMRVの先駆者として知られている。今回の買収により、Pachamaのディエゴ・サエス・ヒル共同創業者兼CEOがCarbon Directの戦略担当上級副社長として参画する。

Carbon Directのジョナサン・ゴールドバーグ共同創業者兼CEOは「Pachamaの技術革新を統合することで、科学に基づく炭素管理をより高度化し、顧客に対して一層実効的な気候ソリューションを提供できる」と述べた。PachamaのヒルCEOも「これまで築いてきた使命と基準をCarbon Directが引き継ぎ、科学とテクノロジー、自然の融合による気候行動をさらに加速できることを誇りに思う」とコメントした。

今回の買収により、Carbon Directは自主的炭素市場(VCM)でのデータ駆動型評価を通じた品質・透明性の向上、企業・プロジェクト開発者へのMRV統合ツールの提供、自然を基盤とする炭素吸収プロジェクトの拡大、そして科学・技術・自然の融合によるイノベーションの促進を目指す。両社の統合は、検証可能で信頼性の高い気候インパクト創出を支える基盤となる見通しだ。

(原文)Carbon Direct Acquires Pachama, Marking Major Milestone for Science-Driven Carbon Management
(日本語参考訳)カーボンダイレクトがパチャマを買収、科学に基づく炭素管理の大きな節目となる

関連記事一覧