
9月10日、スイスのベンチャーキャピタルおよびグロース・エクイティ・プラットフォームであるUna Terraは、循環型経済グロースファンドの5,000万ユーロ(約87億円)規模の資金調達完了を発表した。今回の資金は、イタリアのCDP Venture Capital、モナコ公国アルベール2世財団(FPA2)、ドイツのインパクト投資家Deutsche Nachhaltigkeitなどの投資家や複数のファミリーオフィスから拠出されたものだ。
本ファンドは、循環型経済ソリューションを加速させ、大規模なプラスチック廃棄物および温室効果ガス排出の削減を目指す。具体的には、約1億本のペットボトルの重量に相当する100万トンのプラスチック廃棄物の削減、4億3,000万台の自動車の年間排出量に相当する20億トンのCO₂削減を目標に掲げている。
Una Terraは欧州、中東、北米のSeries A成長段階企業に投資し、テクノロジー主導かつ循環型経済アプローチで産業変革を目指す企業を支援する。対象分野は包装、廃棄物、食品、ファッション、ブルーエコノミーなどで、既存産業インフラに統合可能な軽資産型ソリューションに注力していることが特徴である。さらに、Climate KICなど欧州の気候イノベーション機関やCDP VC Green Transition Fund、FPA2のReOcean Fundとの協働、ケンブリッジ大学CISLやエレン・マッカーサー財団の専門家による助言、デンマークのデザインスクールであるCIID(Copenhagen Institute of Interaction Design)などとの教育プログラム連携など、強力なパートナーシップを活かして投資先企業を支援している。
既にPulpex(紙パルプ液体包装)、Greyparrot(AI廃棄物解析)、Another Tomorrow(循環型ファッション)などへの投資実績があり、今後も欧州市場の好環境と循環型ソリューション需要の高まりを背景に、高インパクト企業への資本投入を積極的に進めていく方針である。
(原文)Una Terra Announces new €50M Close of its Flagship Circular Economy Growth Fund
(日本語参考訳)ウナ・テラ、主力循環型経済成長ファンドの5,000万ユーロの新規クローズを発表