
9月8日、環境NGOのレインフォレスト・アライアンスは、2026年よりコーヒーを対象に新たな「再生型農業認証(Regenerative Agriculture Certification)」を開始すると発表した。これは、土壌の健康や生物多様性の回復を促進しつつ、小規模農家の収入向上を支援することを目的とした、科学的根拠に基づく新しい認証制度である。来年初頭からは、基準を満たした製品に対して専用の認証マークが付与され、消費者にとって再生型農業への参加を可視化する手段となる。
新認証は、まずコーヒーから適用され、2026年にはカカオ、柑橘類、紅茶など他の作物にも順次展開される予定だ。コーヒー市場においては、全体の70%以上を担う小規模農家が気候変動や市場変動により脆弱な立場に置かれており、持続可能性の再構築が急務とされている。レインフォレスト・アライアンスのサンティアゴ・ゴーランドCEOは、「いま求められるのは『害を与えない』という消極的アプローチから、土地や人々を“修復する”という前向きな農業モデルへの転換である」と述べ、認証導入の意義を強調した。
この認証制度では、土壌の健康・気候への適応力・生物多様性・水資源管理・農家の生計の5領域にわたって評価が行われ、基準を満たした生産者のみが認証を取得できる。ブラジル、メキシコ、ニカラグアなどではすでに先行的に運用が始まっており、2026年には初の認証製品が市場に登場する見込みだ。
認証を取得した生産者は、独立した監査機関による定期的な審査を受け、適格とされた場合のみ「Rainforest Alliance Regenerative」のラベルを製品に掲示できる。企業にとっては、再生型農業を支援するサプライチェーンへの投資は、ESG評価の向上やブランド信頼性の強化にもつながる。
(原文)The Rainforest Alliance Announces Regenerative Agriculture Certification for Coffee