サムソナイト、SBTi認証の目標を発表。Scope3排出量を52%削減へ

11月1日、バッグ会社のサムソナイトは、SBTi(Science Based Targets initiative)の基準に沿った科学に基づく短期的な気候目標を発表した。同社は、グループ全体で100%再生可能エネルギーの使用を継続し、2030年までにScope 3排出量を2022年比で単位粗利益あたり52%削減することを目指している。この新たな目標は先月SBTiに提出された。

同社のGHG排出量の95%以上はバリューチェーン(Scope 3)に由来し、そのうち約80%は原材料を含む購入品とサービスから生じている。これを達成するため、製品に使用するプラスチックやアルミニウムなどのリサイクル材料の割合を増やし、グローバルバリューチェーンでの材料関連排出量を削減することに重点を置いている。2023年にはリサイクル材料を一部使用した製品が純売上の約34%を占めており、これは前年の23%から増加している。

同社が運営する排出量削減策として、店舗・製造施設・オフィスでの再生可能エネルギー100%使用を継続し、太陽光発電やグリーン電力プログラム、再生可能エネルギー電力証書(REC)を活用する。また、エネルギー効率の向上と脱炭素化措置も実施する。同社は2023年に目標より2年早く再生可能エネルギー100%を達成し、2017年基準で自社運営の炭素集約度(エネルギー消費量当たりのGHG排出量)を85%削減した。

【参照ページ】
(原文)Samsonite commits to science-based climate target to maintain 100% renewable electricity in own operations and significantly reduce value chain emissions by 2030

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る