世界的な投資専門家団体であるCFA協会は、投資プロセスにESG要素を組み込むことからグローバルな持続可能性報告基準の必要性に至るまで、投資マネージャーや金融業界関係者の意見を調査した結果を発表した。
調査結果の主なものとしては、ESG投資ソリューションの商品開示ルールや、企業による持続可能性に関する報告義務化に対する強い支持などが挙げられる。
この報告書には、アメリカ、ヨーロッパ、中東、アジア太平洋地域の700人以上のCFA協会会員およびCFAチャーターホルダーからの回答が含まれている。
本調査の焦点の1つは、投資プロセスにESG要素を組み込むことに関する投資マネージャーの責任について、回答者の意見を検証することだった。この調査では、大多数の回答者がESG要素を投資の分析と選択のプロセスに含めるべきであると考えているが、約半数がESG要素は投資にとって財務的に重要であると考えられる場合にのみ統合されるべきであると回答している。「ESGの統合は必要ない」と回答したのは、わずか18%だった。ESGの統合を規制当局が義務付けることへの支持は非常に少なく、31%がESGの統合は顧客が投資マネージャーと協議して決定すべきと回答し、47%が政府の規制によって義務付けられるべきでないと回答した。
また本調査では、投資運用会社が企業のESG情報開示を義務付けるという考え方を支持していることも示された。回答者の4分の3近くが、持続可能性報告を義務化すべき、または、規制基準を通じて何らかの開示が義務化されるべきと回答している。「持続可能性報告は必要ない」と回答したのはわずか7%だった。また、回答者は、企業が直面するESGリスクだけでなく、企業の製品や事業が及ぼす社会的・環境的影響に関する開示を含む報告アプローチを好み、68%が報告基準でこの「ダブルマテリアリティ」アプローチを要求すべきと回答している。
また投資顧問会社は、一貫性があり比較可能なESG開示の開発を明確に支持しており、回答者の78%が、単一のグローバルアプローチ、または地域や市場ごとの適応を認める一貫したグローバルベースラインのいずれかに基づく持続可能性報告を希望している。投資家はまた、企業のESGデータに対する第三者による保証の必要性を表明し、64%がサステナビリティ報告にはある程度の監査人の保証が必要であると回答し、保証は必要ないと答えたのはわずか16%だった。
【参照ページ】SURVEY OF CFA INSTITUTE MEMBERS ON LATEST ESG MATTERS (PDF)