
8月8日、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は国際民間航空機関(ICAO)から承認を受けた「持続可能な航空燃料(SAF)認証スキーム(ClassNK SCS)」の運用を開始した。これまでSAFの認証スキームは海外機関に限られていたが、国内法令や実情を踏まえた認証を日本の機関で完結できる体制が整った。
国際航空業界では、ICAOが導入する「国際航空のための炭素オフセット・削減スキーム(CORSIA)」によりCO2排出削減が求められている。SAFは従来のジェット燃料に比べCO2排出を大幅に削減でき、日本政府と航空業界は2030年までに国内航空会社の燃料の10%をSAFに置き換える目標を掲げている。供給量は2025年見込みの約2万kl(キロリットル)から2030年には192万klへと拡大予定であり、産官連携プロジェクトが進行中である。
これまでCORSIA上で有効とされるSAFは、ICAO承認の認証スキーム(SCS)に基づく必要があったが、承認済みは欧州の2機関(ISCCとRSB)のみで、日本国内で完結する体制は存在しなかった。昨年10月、ClassNK SCSがアジア初のICAO承認SCSとなり、今回、公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)が認定業務を、日本海事検定キューエイ株式会社が認証業務を開始した。国内での一貫認証体制が正式に稼働した。
ClassNKは、国産SAF供給拡大に向け、迅速かつ信頼性の高い認証を通じて実現に貢献するとしている。
(原文)アジア初、SAF認証スキーム「ClassNK SCS」が運用開始 ~国内機関による日本の法令、実情を踏まえた迅速なSAF認証を実現~