99%の企業が「気候変動対応」を「成長機会」と認識――HSBC調査

12月3日、気候変動への対応を、コストや規制対応ではなく「事業機会」と捉える企業や投資家が多数を占めていることが、HSBCによる調査で明らかになった。調査によると、企業経営者の95%がサステナビリティを商業的な機会と認識しており、機関投資家でも79%が同様の見解を示した。

この調査は、世界12市場で企業1,600社以上、金融機関・投資機関500社以上を対象に実施された初の「サステナビリティ・パルス調査」に基づくものだ。

主な結果として、企業の99%が「今後3年間で、気候移行への対応が競争優位性にとって重要になる」と回答した。また、90%の企業がすでに気候関連技術を自社の移行戦略に組み込んでいるとした。投資家側でも、意思決定者の85%が「サステナビリティ戦略が強固な企業ほど、長期的な資本を呼び込みやすい」と考えている。

調査結果は、サステナビリティが中長期的な経営戦略の中核に位置づけられつつある現状を示している。気候移行への取り組みは、企業の強靭性やイノベーション、成長可能性を左右する要素として、投資判断にも影響を与えているとみられる。

こうした動向を受け、金融機関の間でもネットゼロに向けた戦略の見直しが進んでいる。調査を実施した金融グループは先月、最新の「ネットゼロ移行計画」を公表し、2050年までにネットゼロを達成するという目標を改めて示した。計画では、世界情勢の変化により移行のスピードが地域や産業ごとに異なっている点を踏まえ、より現実的かつ商業性を重視した支援の必要性が強調されている。

気候変動対策は、環境リスクへの対応にとどまらず、企業価値や競争力を左右する経営課題として定着しつつある。今回の調査は、企業と投資家の間でその認識が広く共有されていることを浮き彫りにした。

(原文)Businesses see the commercial opportunity in climate transition
(日本語参考訳)企業は気候変動の意向に商業的チャンスを見出している

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