【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment Mechanism:CBAM)が適用開始される。本制度は、EU域内排出量取引制度(EU ETS)と整合をとるために、EU域外から輸入される炭素集約型製品に対して、製造過程で排出された温室効果ガス(GHG)に対して報告義務および価格をつける制度。EUとの取り引きがある企業にとっては、少なからず「報告」への協力が求められるだろう。

 本稿では、本制度の概要(簡素規則を含む)およびEU域外企業が取るべき実務対応を整理する。また、業界共通・業界別それぞれの対応リスクや準備事項も考察している。

自社には関連がないと思っていても、EU企業からサプライチェーン対応として「体化排出量」の報告を求められる可能性もあるため、概要やリスクを把握し備えてておくとよいだろう。

CBAMとは

概要と目的

CBAMの目的は、EU域内で導入されている排出量取引制度(EU ETS)との炭素価格格差を是正することで、カーボンリーケージ(生産移転による排出逃避)を防止することが狙いだ。

EU域外から輸入される製品のうち、製造過程で多量のGHGを排出するものについて、輸入者は「排出量の報告」「CBAM証書の購入」が求められる。なお、CBAM証書の価格は、輸入製品に埋め込まれた排出量に応じた金額になる。

次に、対象事業者やEU域外企業の対応項目など順に紹介する。


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執筆者紹介

竹内 愛子 (ESG Journal 専属ライター)
大手会計事務所にてサステナビリティ推進や統合報告書作成にかかわるアドバイザリー業務に従事を経て、WEBディレクションや企画・サステナビリティ関連記事の執筆に転身。アジアの国際関係学に関する修士号を取得、タイタマサート大学留学。専門はアジア地域での持続可能な発展に関する開発経済学。

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