紅麹関連食品で腎障害 プベルル酸が原因と確認、消費者庁が制度見直しへ

9月4日、消費者庁は食品衛生基準審査課の部会で、紅麹関連食品による健康被害事案の調査進捗を公表した。調査では、紅麹製品に青カビ(Penicillium adametzioides)が混入し、プベルル酸を産生していたことが判明。さらに青カビと紅麹菌の共培養により、モナコリンKが修飾され、化合物Y(C28H42O8)とZ(C23H34O7)が生成されたことも確認された。ラット実験でプベルル酸は腎障害を引き起こす一方、YとZには腎毒性は認められなかった。

また、国立医薬品食品衛生研究所の調査で、食品工場等から収集したPenicillium属428株のうち、5株(約1.2%)がプベルル酸を産生することが明らかになった。今後は発生環境や分布条件をさらに検討し、食品中の規格基準策定を視野に追加調査を進める。

消費者庁は、機能性表示食品制度の信頼回復に向けて、GMPに基づく製造管理の義務化、健康被害情報の提供義務化、立入検査強化などを検討。約7000件の届出製品についても健康被害情報の有無を点検する方針だ。厚労省は今後、染色体異常試験などの追加毒性試験を実施し、必要に応じ食品衛生法上の規格基準を策定する意向を示した。

(原文)プベルル酸に関する調査状況の進捗について

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