
9月18日、オーストラリア政府は「ネットゼロ・プラン」と新たな温室効果ガス削減目標を発表した。2035年までに2005年比で62〜70%削減し、2050年までのネットゼロ達成を目指す。
この目標は気候変動法2022に基づき、気候変動庁の助言を受けて設定された。2030年目標(同43%削減)を大幅に上回り、パリ協定の1.5度目標を射程に入れる野心的な数値と位置づけられている。
政府は豊富な太陽光・風力資源や必要鉱物を背景に、クリーン電力、電化・効率化、クリーン燃料拡大、新技術導入、炭素除去拡大の5優先分野を明示。電力・農業・建築・産業・資源・交通の各部門で削減計画を策定し、経済成長と雇用創出を両立させるとした。
豪財務省の試算によれば、秩序立った移行は経済成長や生活水準の向上をもたらす一方、移行の遅れは投資・雇用の損失や電力コスト上昇につながる。
またオーストラリアは9月、国連に最新の「国別削減目標(NDC)」を提出した。世界の84%のGDPがネットゼロ目標を掲げる中、政府は持続可能な経済発展と安全な未来を両立させる姿勢を鮮明にした。
(原文)Net Zero