
9月8日、香港金融管理局(HKMA)は、サステナブルファイナンスの指針である『香港タクソノミー』の第2段階を公表した。今回公表された第2A段階の試作版は、パブリックコンサルテーションに付され、段階的に改訂を進める予定だ。
第1段階では「発電」「輸送」「建設」「廃棄物処理」の4分野で12の経済活動を定義していたが、第2Aでは「製造業」と「情報通信技術」を加え、対象分野は6に拡大、経済活動は25に増加した。また、従来の「グリーン定義」に加え、市場の需要が高まる「トランジション活動」を初めて定義した。これは短期的に排出削減が可能、または低炭素化への移行過程にある活動を対象とするものである。さらに、具体的な技術導入や設備更新を支援する「トランジション手段」も位置づけられた。
加えて、新たに「気候変動適応」カテゴリーが設けられた。これは洪水リスクや水資源ストレスといった地域特有の物理的リスクに対応するため資金調達を促進し、気候リスクへの適応を強化することを目的としている。第2Aでは水資源監視設備の導入などが例示されており、今後は他の気候リスクにも対象を広げていく方針である。
タクソノミーは現状、任意利用の科学的評価ツールとして位置づけられているが、将来的には銀行監督政策への統合も視野に入れている。HKMAは幅広いステークホルダーとの協議を続け、第2B以降の発展につなげていく考えだ。
(原文)Phase 2 of Hong Kong Taxonomy for Sustainable Finance: advancing the development of green finance
(日本語参考訳)サステナブルファイナンスのための香港タクソノミー第2フェーズ:グリーンファイナンスの発展を推進