
9月8日、シンガポール金融管理局(MAS, Monetary Authority of Singapore)は、同機関が主導する「Financing Asia’s Transition Partnership(FAST-P)」の一環である「Green Investments Partnership(GIP)」が、初回クローズとして5億1,000万米ドル(約750億円)を調達したと発表した。調達資金は世界・地域の民間、公共、慈善団体が参加し、東南アジアおよび南アジアのグリーン・サステナブルインフラ案件を通して投資される。
投資・金融機関には、オーストラリア輸出金融公社を通じてオーストラリア政府、国際金融公社、FMO、HSBC、テマセク・ホールディングス、British International Investment、バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ、Allied Climate Partnersが名を連ね、欧州委員会はGlobal Gatewayプログラムを通じて支援している。GIPの運営は、HSBCとTemasekが設立した持続可能なインフラ債務融資プラットフォームPentagreen Capitalが担う。
GIPは、再生可能エネルギー・蓄電、電気自動車インフラ、持続可能な交通、水・廃棄物管理など、同地域のエネルギー転換に不可欠な分野への投資を支援する。FAST-Pは2023年にMASが立ち上げたもので、公共・民間・慈善団体による資本を結集し、気候関連の資金調達ギャップを埋めることを目的としている。GIPは同枠組みで初めて初回クローズに到達したファンドであり、政府、国際開発金融機関、慈善団体、民間投資家、銀行など多様なパートナーからコンセッショナル資金(譲許的資金)と商業資本の両方を調達している。
FAST-Pは、革新的な混合・階層型資本構造を用いて国際投資家・金融機関のリスクを低減し、これまで資金調達が困難だった開発・建設段階のインフラ案件に資本を呼び込むことを狙っている。今回の初回クローズは、東南アジアおよび南アジアのグリーン移行資金調達の加速に向けた重要な一歩である。
(原文)Green Investments Partnership, a Blended Finance Fund under Singapore’s FAST-P initiative, Achieves First Close with US$510 Million in Committed Capital
(日本語参考訳)シンガポールのFAST-ピニシアチブに基づくブレンドファイナンスファンドであるグリーン・インベストメンツ・パートナーシップが、5億1,000万分のコミットメント資本でファーストクローズを達成