
6月26日、情報サービス大手のウォルターズ・クルワーは、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)対応を支援する2つの新しいソフトウェアソリューションを発表した。欧州連合(EU)が導入した「炭素国境調整メカニズム(CBAM)」への対応を簡素化する製品と、ESG目標と財務計画を統合分析する製品で、企業の持続可能な成長を後押しする。
新製品の一つ「CCH Tagetik ESG & Sustainability for CBAM」は、EU域内へ特定の製品を輸出する際に求められる炭素排出量の報告義務に対応するためのソリューション。AIを活用して対象品目を自動で検出し、CBAMの指針に沿った排出量計算を自動化する。これにより、企業は報告の正確性を高め、コンプライアンス業務を効率化できるほか、将来の炭素コストを計画しやすくなる。
もう一つの「CCH Tagetik ESG & Sustainability for Planning & Analytics」は、企業の財務データとESGに関するデータを一元管理し、持続可能性を経営の意思決定に組み込むことを支援する。AIによる将来の排出量予測や、ESGへの取り組みが財務に与える影響のシミュレーションなどが可能で、企業はより戦略的に気候変動目標などを設定・管理できるようになる。
同社のカレン・アブラムソンCEOは、「企業は財務と非財務の両方のデータを分析し、予測や計画に活かすための革新的な技術を求めている。我々の新製品は、CFO(最高財務責任者)が直面する新たなESG関連の課題に対応し、長期的な成長を推進することを支援するものだ」とコメントした。
近年、企業には気候変動対策や人権配慮など、ESGに関する情報開示や具体的な取り組みが強く求められている。今回の新製品は、複雑化する規制への対応と、持続可能性を経営戦略の中核に据えたいと考える企業のニーズに応えるものとなる。
(原文)Wolters Kluwer expands CCH® Tagetik ESG & Sustainability to offer Carbon Border Adjustment Mechanism and Planning & Analytics capabilities
(日本語参考訳)ウォルターズ・クルワー、CCH® Tagetik ESG & Sustainabilityを拡張し、炭素国境調整メカニズムと計画・分析機能を提供