3月16日、TDバンクグループは、2030年までに3,640億ドル(約48兆円)の持続可能な脱炭素化ファイナンスを促進するという目標を含む、ESGおよびサステナブルファイナンスに焦点を当てた一連の新しい施策を発表した。
新たな目標は、2022年のESG報告書の発表とともに発表された。本報告書には、TDが融資する排出削減目標の拡大や、経済的包摂に焦点を当てた新しい社会的枠組みの設立も含まれている。
TDの新たな持続可能な金融目標は、2017年に設定された同行の事前目標に続くもので、低炭素融資、融資、資産運用、社内企業プログラムに向けて2030年までに1,000億ドル(約13兆円)を投下するというものである。同行のESG報告書によると、同社は予定より8年早い2022年に目標を達成した。
新たな目標について、TDは、融資、ファイナンス、引受、アドバイザリーサービス、保険、銀行自身の投資などの金融活動を通じて3,640億ドル(約48兆円)の動員を目指すとし、TDは、目標に含めるべき環境、脱炭素、社会活動の適格性をまとめた「持続可能な脱炭素金融目標方法論」も発表した。同行は、目標に向けた進捗状況を毎年報告するとしている。
TDは、新たなサステナブルファイナンス目標に加え、2030年中間期の排出削減目標の対象セクターを拡大し、昨年設定したエネルギー・電力セクターの目標に、自動車製造セクターと航空セクターの目標を追加している。TDの新たな2030年目標には、自動車製造業の「Tank to Wheel」排出量原単位の50%削減、航空会社のScope 1と航空機リース会社のScope 3の原単位の8%削減(いずれも2019年を基準として)が含まれている。
また、ESGレポートでは、社会的要素をビジネスに組み込むための銀行の取り組みを、雇用へのアクセス、金融へのアクセス、住宅へのアクセスなどの主要分野に集中させることを目的とした「TD Pathways to Economic Inclusion」という、社会に焦点を当てた新しい枠組みを確立している。
【参照ページ】
(原文)TD Bank Group sets new $500 billion Sustainable & Decarbonization Finance Target by 2030
(日本語参考訳)TD、約48兆円のサステナブル&脱炭素ファイナンス目標を発表