Air ProductsとAES、約5,472億円を投じて米国最大のグリーン水素施設を建設

Air ProductsとAES、約5,472億円を投じて米国最大のグリーン水素施設を建設

12月8日、産業用ガスのリーディングカンパニーであるAir ProductsとエネルギープロバイダーであるAESは、テキサス州で初の「メガスケール」グリーン水素製造施設を建設するために40億ドル(約5,472億円)を投資する計画を発表した。

日産200トン以上の水素製造能力を持ち、約1.4ギガワット(GW)の風力・太陽光発電を含む本プロジェクトは、米国最大のグリーン水素施設となる予定である。

2027年の商業運転開始を目指す本プロジェクトは、ネット・ゼロ目標に炭素強度ゼロの燃料を組み込むことを目指す州や企業によるグリーン水素の需要増加に対応するものである。グリーン水素は、モビリティ市場だけでなく、他の産業市場にも特に関連性がある。

水素は、クリーンなエネルギーへの移行において重要な構成要素の一つと考えられており、特に風力や太陽光などの再生可能エネルギーソリューションが実用的でない、排出量の削減が困難なセクターにおいて重要な役割を担っている。

年間約9,000万トンの水素が製造されているが、その大部分は化石燃料を使って抽出されており、汚染物質やGHGの排出を引き起こしている。再生可能エネルギーを利用した電気分解プロセスで水から水素を取り出すグリーン水素のようなクリーンな抽出プロセスを開発するためには、多額の投資が必要である。

2027年に商業運転を開始する予定の新施設は、米国の運輸および産業市場にグリーン水素を供給し、炭素強度ゼロの燃料に対する高まる需要に対応する。

Air ProductsとAESによると、この施設は耐用年数中に5000万トン以上のCO2を削減することができ、これは約50億ガロンのディーゼル燃料の排出量に相当する。

Air ProductsとAESは、再生可能エネルギーと電解槽の資産を等しく所有し、Air Productsは30年間の契約に基づいて、グリーン水素の独占販売代理店となる。

【参照ページ】
(原文)Air Products and AES Announce Plans to Invest Approximately $4 Billion to Build First Mega-scale Green Hydrogen Production Facility in Texas

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  2. 【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    2025-10-15

    【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  3. AI時代のサステナビリティ情報開示のポイント ー現状チェック項目付ー

    2025-10-13

    AI時代のサステナビリティ情報開示のポイント ー現状チェック項目付ー

    サステナビリティ情報開示は、アナリスト(人間)が読むことを前提とされた構造になっているが、近年は主…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る