穀物プロセッサー大手ADM社、代替タンパク質の生産を拡大

ADM社、代替タンパク質の生産を拡大

4月12日、穀物プロセッサー大手ADM社は、代替タンパク質の需要を開拓するための拡張計画を発表した。ADM社は、イリノイ州ディケーターでの代替タンパク質生産を拡大するために約3億ドル(約400億円)の投資を行う予定。さらに、ディケーターに最新鋭のタンパク質イノベーションセンターを開設し、代替タンパク質の能力を強化する。本センターは技術革新を支援し、顧客のニーズに効率的に対応する。

今回の拡張により、ADM社の代替タンパク質能力は大幅に改善される。代替タンパク質能力の向上により、濃縮大豆タンパク質の生産能力が向上し、ディケーター・コンプレックスの押出能力がほぼ2倍になる。本プロジェクトは、適用されるすべての承認を条件として、2025年第1四半期に締結する見込みだ。生産能力は、トップコントロール技術を含む最新の技術とプロセスを背景に、飛躍的に向上する予定。

プロテイン・イノベーション・センターは、ADM社の食品アプリケーション・センターと動物栄養テクノロジー・センターに加わり、ディケーターにあるイノベーション複合施設をさらに充実させる。本センターは、ADM社が顧客と密接に協力して、優れたサービスを提供するためのカスタムソリューションを構築する能力を拡大することに重点を置くもの。イノベーションセンターは、多様な原材料からサステナブルで効率的な加工、さらにユニークな食感、味、栄養まで、イノベーションを後押しするラボ、テストキッチン、パイロットスケール生産機能を持つことになる。

代替タンパク質の需要は着実に伸びている。食品と栄養ソリューションにおける代替タンパク質は、10%のCAGRを記録。本記録には、代替肉や代替乳製品の売上も含まれ、毎年14%増加し、2030年には125億ドル(約1兆6000億円)に達すると予想される。よって、ADM社の代替タンパク質の生産能力の向上はますます注目を集めている。

【参照ページ】
(原文)ADM – ADM to Meet Fast-Growing Demand For Alternative Proteins with Significant Capacity Expansion, New Innovation Center
(日本語訳)ADM社、代替タンパク質の需要急増に対応するため、生産能力の大幅増強と新イノベーションセンターを設立
(参考記事)Archer Daniels (ADM) Expands Alternative Protein Production
(日本語訳)アーチャー・ダニエルズ(ADM)社、代替タンパク質の生産を拡大

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る