核融合ではなく「ガスから原子力へ」 Blue EnergyとCrusoe、テキサスでAI向け原子力データセンター開発

10月30日、Blue EnergyとCrusoeは、テキサス州ポート・オブ・ビクトリアにおいて、原子力を基盤としたAIデータセンターキャンパスを共同開発する戦略的提携を発表した。Blue Energyは最大1.5GW規模の先進的原子力発電所を設計・建設・運営し、その電力を隣接地に整備されるCrusoeのAIファクトリー群へ供給する計画である。

Blue Energyは「ナチュラルガス・ブリッジ」を活用し、運転開始までの期間を最短36ヶ月へ短縮する方式を採用する。これにより、2028年にガス由来の電力供給を開始し、2031年に原子力発電へ転換する「ガスから原子力への段階的移行」が実現される見込みだ。

開発地は既存インフラ、送電網、光ファイバー網、天然ガスパイプライン群への近接性が評価され、広さ1,600エーカーのCrusoeキャンパスが拠点となる。

Blue Energy共同創業者兼CEOジェイク・ジュレウィッツ氏は「費用とスケジュールに確実性を持つ初の原子力プロジェクトとなる」と強調。Crusoeエネルギーインフラ担当副社長アンドリュー・ライケンス氏は「AI需要に対応するには、大規模で安定したクリーン電力が不可欠だ」と述べた。

本プロジェクトは地域の雇用や税収強化にもつながるとして、地元議会およびポート・オブ・ビクトリア関係者も歓迎姿勢を示している。

(原文)Blue Energy and Crusoe partner to develop advanced nuclear-powered AI data center project in Port of Victoria Texas
(日本語参考訳)ブルーエナジーとクルーソーが提携し、テキサス州ビクトリア港で先進的な原子力発電AIデータセンタープロジェクトを開発

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