ユナイテッド航空、米3空港でSAF導入拡大

10月23日 、ネステとユナイテッド航空は、サステナブル航空燃料(SAF)の供給提携を拡大し、米国の主要3空港で新たに利用を開始した。ユナイテッド航空がSAFを使用する空港は、ヒューストンのジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港(IAH)、ニュージャージー州のニューアーク・リバティ国際空港(EWR)、ワシントンD.C.のダレス国際空港(IAD)の3カ所となる。同社はこれら空港でSAFを導入する初の商業航空会社だ。

ネステは、ユナイテッド航空に「Neste MY Sustainable Aviation Fuel」を供給する。SAFは仕様に適合させるため従来の航空燃料と混合されて使用される。

ヒューストンでは7月から供給が開始され、10月末まで継続する予定。ニューアークとダレスでは9月から供給が始まり、年末まで継続する。燃料はヒューストンの供給拠点から既存パイプラインで各空港へ運ばれる。

ユナイテッド航空のチーフ・サステナビリティ・オフィサーであるローレン・ライリー氏は、「昨年、当社は米国で4,300トン(約1,300万ガロン)のSAFを使用したが、市場拡大には政府支援が必要だ」と述べ、政策的インセンティブの重要性を指摘した。

ネステ側も、「SAF普及のためには州ごとの政策整備が不可欠だ」と強調し、供給能力の拡大を継続すると説明した。

本提携は既存の取り組みを拡大するものだ。ネステは2024年からシカゴ・オヘア国際空港への供給を開始し、サンフランシスコ国際空港でもLCFS制度に支えられSAFが使用されている。

さらにネステは、廃食油や動物性脂肪廃棄物など100%再生可能原料を使用し、ライフサイクル全体で最大80%の温室効果ガス削減が可能なSAFを生産する。現在の生産能力は年間150万トンで、2027年には220万トンへ増強される予定だ。

航空業界における脱化石燃料と排出削減への取り組みが一層進む中、今回の供給拡大は米国でのSAF導入拡大に向けた重要な動きとなっている。

(原文)Neste extends partnership with United Airlines to bring sustainable aviation fuel (SAF) to three major US airports
(日本語参考訳)ネステはユナイテッド航空との提携を拡大し、米国の主要3空港に持続可能な航空燃料(SAF)を導入する。

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