
9月1日、シンガポールの脱炭素ファンドであるGenZeroは、サステナビリティレポートを初めて発表し、2028年3月31日までに少なくとも700万トンのCO₂相当の累積直接気候インパクトを達成する目標を設定した。この数値は、投資ポートフォリオにおける出資比率に基づいたものである。現在、2024年12月末時点で実現済みの気候インパクトは300万トンにのぼり、目標の半分近くを達成したことになる。
この目標は、「ステーク調整(出資割合に応じた)」方式により定量化された数値として公開される世界初の投資機関の一つであり、金融の気候貢献を可視化する業界のモデルケースとして注目される。
2012年6月の設立以来、GenZeroは自然由来ソリューションから技術ベースの脱炭素施策、さらにはカーボン・エコシステムを支えるプラットフォームまで、17カ国・5大陸にわたる24案件へ投資してきた。2024年末時点で、直接的な実現済み気候インパクトは300万トン、間接的な影響も含むと累積1290万トンに達している。
報告書内容は、IFRS S2(ISSB)、国連のSDGs、Impact Management Principles、GHGプロトコル、PCAFなどの国際的枠組みに準拠しており、今後はTNFDやISSBへのさらなる整合を図る予定である。
GenZeroは、シンガポール政府所有の投資会社テマセクによって設立され、サステナブル・ファイナンスと気候インパクトの両立を目指し、「ステークホルダーの利害関係を考慮した排出量削減・吸収量」の目標設定を業界に先駆けて公表することで、気候投資の透明性と責任を強調している。今後も、測定手法の精緻化や報告基準の国際的整合を通じて、業界リーダーとしての姿勢を強めていく構えである。
(原文)GenZero Sets 2028 Climate Impact Target with the Launch of Inaugural Sustainability Report
(日本語参考訳)GenZero、初のサステナビリティレポートを発表し、2028年の気候影響目標を設定