IKEAのインカG、中国で循環型投資を初実施 プラ再生企業に出資

8月11日、世界最大のイケア(IKEA)小売事業者であるインカ・グループは、投資部門のインカ・インベストメンツを通じて、中国のプラスチックリサイクル企業「Re-mall」に対し、成長資本を注入すると発表した。同社にとって中国における循環型経済分野への初の投資となり、プラスチック廃棄物問題の解決と循環型社会への移行を加速させる狙いだ。

Re-mallは、食品容器などの使用済み包装廃棄物を原料に、独自技術で透明度の高い再生ポリプロピレン(rPP)を製造する企業。従来のリサイクル工程で課題となっていた食品残渣やラベルによる汚染、品質劣化を克服し、大規模かつ安定的に高品質の再生ペレットを供給できる点が強みだ。生産された材料は、収納ボックスや食器、玩具、化粧品容器、繊維製品など幅広い製品に利用されており、多くの大手企業が採用している。

インカ・グループは今回の投資を通じ、廃棄物を削減し、再生材の供給を増やす企業を支援することで、循環型経済への移行を促進するというコミットメントを強化する。IKEA中国社長兼最高サステナビリティ責任者のポンタス・エルンテル氏は「今回の投資は、中国市場における当社の長期的なコミットメントを示すものだ。循環型経済を加速させ、次世代の顧客ニーズに応える責任と機会を私たちは有している」とコメントした。

Re-mallは上海に本社を置き、江西省の製造拠点から長江デルタや珠江デルタといった主要都市圏に広がるプラスチック廃棄物供給源にアクセスしている。今回調達した資金は、リサイクル能力の拡大と新製品開発に充てられる予定だ。CEOの朱寛(Zhu Kuan)氏は「インカ・インベストメンツを戦略的パートナーとして迎えられることを嬉しく思う。共にプラスチック廃棄物を価値ある資源に変え、よりクリーンな地球と持続可能な未来を築いていきたい」と述べた。

インカ・グループは、2017年から循環型投資ポートフォリオを設けており、二酸化炭素排出量の多い素材のリサイクルインフラ構築に取り組む企業への投資を世界で進めている。

(原文)Ingka Group makes first circular investment in China with stake in plastic recycler Re-mall
(日本語参考訳)インカグループ、プラスチックリサイクル業者リモールへの出資で中国初の循環型投資を実施

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