
7月22日、欧州委員会は、環境法制の簡素化と実施レベルにおける行政負担の軽減を目的とした「証拠募集(Call for Evidence)」を開始した。これは、循環経済、産業排出、廃棄物管理に関する法制度の一括見直し(環境オムニバス提案)に向けた準備の一環である。
本取り組みでは、環境目標や人の健康保護を損なうことなく、事業者にとって現行法制の簡素化が可能な分野を特定することを目指している。具体的には、行政手続きの簡略化、重複する報告義務の削減、報告のデジタル化の推進、許認可手続きの課題への対応などが挙げられている。
欧州委員会は現在および過去の意見募集の結果を分析し、行政手続きの簡素化が可能な法令を選定中である。意見提出はEU市民や企業、自治体など幅広い関係者に呼びかけられており、欧州委員会の「Have Your Say」ポータルを通じて、9月10日まで受け付けられている。
今回のイニシアティブを主導するロスウォール欧州委員(環境・水資源レジリエンス・循環経済担当)は、「高い環境基準を維持しながら、規制の実効性と環境保護の向上を両立させるため、現場の声を集めたい」と述べた。
本取り組みは、行政負担を企業全体で25%、中小企業では35%削減することを掲げた「競争力コンパス」など、EUの主要施策とも整合している。また、2025年の作業計画では、重複・不要・過剰な規制の見直しを進める方針が示されており、委員会は2029年までに行政負担を体系的に削減することを目指している。
(原文)Commission invites feedback on future environmental legislation simplification
(日本語参考訳)委員会は将来の環境法の簡素化に関する意見を募集