11月8日、経済産業省及びドイツのエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、海底熱水鉱床開発に関するこれまでの取組に関する総合評価を実施した。平成30年度から令和4年度までの5年間の取組の成果や経済性の評価結果、今後解決すべき課題について整理し、その結果をとりまとめたもので、平成30年度以来5年ぶり、2回目の総合評価となる。
沖縄海域等に分布する海底熱水鉱床は、鉱物資源の大部分を海外に依存している日本にとっての新たな国内供給源として期待されている。経済産業省とJOGMECは、「海洋基本計画」及び「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」に基づき、日本周辺海域での海底熱水鉱床の資源量調査や生産技術の検討を進めてきた。
資源量評価では、沖縄海域や伊豆・小笠原海域で合計5,180.5万tを把握した。また、新規鉱床発見のための広域調査では、沖縄海域で天美サイト、豊見サイト、梯梧サイト、吾妻サイト、令宝サイト、伊豆・小笠原海域で東青ヶ島鉱床、須美寿リフト中央鉱床の合計7つの海底熱水鉱床を発見した。
経済性調査では、概略資源量を把握した2つの鉱床を対象とし、採掘量5,000トン/日で合計18年間操業したケースを仮定し、これまでに検討してきた生産技術に基づき、現時点での経済条件にて経済性を評価。その結果、支出1兆2,259億円に対して収入は1兆1,421億円との算定となった。経済産業省は、「生産システムの改良や操業の効率化により生産コストを削減し、新鉱床発見、生産効率の向上、金属価格の上昇により収入が増加すれば、十分なIRRが確保され、経済性を見出しうる」と評価した。
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海底熱水鉱床開発に関する総合評価を実施しました