SSBJ基準、26年3月に気候関連開示基準一部改正の可能性

11月21日、サステナビリティ開示基準委員会(SSBJ)は、サステナビリティ開示基準「適用基準」「一般開示基準」「気候基準」の改正に向けたスケジュールを公開した。これは、IFRS財団がIFRS S2およびSASBスタンダードの改訂案を2025年12月に公表するよう作業を進めていることを受けたもの。なお、SSBJにおいては、すでに改正の検討自体が2025年5月から行われていた。
IFRS S2の改訂案には、スコープ3排出量の扱いの明確化や金融機関向けのファイナンスド・エミッションに関する追加ガイダンスなど、企業の開示実務に大きな影響を与える論点が含まれる。SSBJは、これら国際基準の改訂内容を踏まえつつ、早ければ2026年3月にSSBJ基準の改訂版を公表する可能性があるとしている。
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また、SSBJ基準では業種別論点を補完する目的でSASBスタンダードの参照が求められている(新しいSASB基準が公表されれば、参照先のSASBスタンダードも変わる)。IFRSでは、SASBスタンダードの改訂も同時進められており、2025年12月の公表が想定される。SASBスタンダード対照表を公開している企業にとっては、内部ガイダンスなど対応を更新する必要が生じるだろう。
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今回の一連の改訂により、2025年から2026年にかけて気候関連開示基準は大きな転換期を迎える見通しだ。企業は、国際基準の改訂内容をいち早く把握し、SSBJ基準の更新に向けた準備を進めることが求められる。
(参考)サステナビリティ開示基準委員会 「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」の改訂

