
8月28日、世界銀行グループの一員である国際金融公社(IFC)と、ブラジルを拠点とする投資銀行BTGパクチュアルは、ラテンアメリカ全域での持続可能な開発・気候投資を加速するための戦略的パートナーシップを発表した。両者は2028年末までに最大10億ドル(約1,500億円)規模の共同投資と民間資本の動員を目指しており、気候変動、生物多様性、社会的包摂といった課題に対する市場ベースのソリューション創出を後押しする。
本提携では、環境・社会パフォーマンス基準(IFC Performance Standards)をベースに、投資の専門性や知見の共有も進められる予定である。BTGパクチュアルは、自然資本を基盤としたソリューションやアマゾン地域に関連するバイオエコノミー企業への投資機会を探索し、IFCはファイナンス面および技術面から支援を提供する。対象となるのは、ポートフォリオ企業、インフラファンド、私募ファンド、環境保全・社会開発関連プロジェクトなど幅広い。
本協定は、地域リーダーとしてのBTGと、開発金融におけるグローバルリーダーIFCが、それぞれの強みを活かしてスケール可能で実効的なインパクト投資の枠組みを構築しようとする姿勢を示すものである。BTGのロベルト・サロウチCEOは、「IFCとの連携により、変革的ポテンシャルを持つプロジェクトへの資金配分がより戦略的に行われる」と述べた。
IFCは1957年以降ブラジルの民間セクターへの投資を続けており、都市化や包摂、競争力・生産性、天然資源管理といった課題に対応してきた。今回の提携は、ラテンアメリカにおいて民間資本を気候・社会的インパクト分野に動員する新たな試みとして注目される。IFCのアルフォンソ・ガルシア・モラ副総裁も「民間セクターは、気候課題の主導的プレイヤーであるべきだ」と述べ、より包括的かつ長期的な経済成長の礎として本取り組みを位置づけている。
(原文)IFC and BTG Pactual Partner to Drive Sustainability and Development in Latin America
(日本語参考訳)IFCとBTG Pactualがラテンアメリカにおける持続可能性と開発の推進で提携