6月26日、ストックホルム・レジリエンス・センター、スタンフォード大学の海洋ソリューション・センターと食料安全保障・環境センター、EAT Foundationが主導する国際共同イニシアティブ「ブルーフード・アセスメント」は、漁業と養殖の双方を指す「ブルーフード」の分析結果を論文発表した。
本研究は、捕獲漁業と水産養殖の両方において、世界の「青い」食糧生産の90%以上が環境変化による実質的なリスクに直面しており、アジアとアメリカの主要国数カ国が生産に対する最大の脅威に直面することを示している。
新たな論文の著者らは、世界の青色食品の生産量と安全性に影響を与える環境ストレス要因について、世界で初めてグローバルな分析を行い、主要なストレス要因への暴露度合いに応じて各国をランク付けした。有害藻類の発生、海面上昇、気温の変化、農薬への暴露など、合計17のストレス要因が調査された。
本論文では、米国におけるブルーフード生産に対する主な脅威として、生物種の侵入、内陸部の富栄養化、水域の栄養分の過剰濃縮、海洋温暖化、海面上昇が挙げられており、淡水漁業と海洋漁業が不均衡に大きなリスクに直面している。ストレス要因による直接的な影響を研究するだけでなく、その範囲を広げ、支援システムがどのような影響を受けるかを検討することも重要である。
最大の青色食品生産国である中国の淡水養殖業は、内陸の富栄養化や厳しい気象現象にも大きくさらされていることが、今回の研究で明らかになった。著者らはまた、バングラデシュ、ベナン、エスワティニ、グアテマラ、ホンジュラス、トーゴ、ウガンダなど、環境変化に大きくさらされているにもかかわらず、十分な適応能力を持たない国々に特別な注意を払うべきだと主張している。
本研究は、25以上の機関から100人以上の科学者を集めた国際共同イニシアティブであるブルーフード・アセスメントによって実施された。ストックホルム・レジリエンス・センター、海洋ソリューション・センター、スタンフォード大学食料安全保障・環境センター、EATが主導している。
【参照ページ】
(原文)Vulnerability of Blue Foods to Human-Induced Environmental Change
(日本語訳)世界中の水生食品が環境変化による深刻なリスクに直面していることが新研究で判明