
10月6日、シンガポール競争・消費者委員会(CCS)は、事業者が製品の性能や品質に関する主張を行う際の適正な表示方法を示す新たなガイドラインを発表した。本ガイドラインは、近年注目を集める「グリーンウォッシング」問題への対策の一環として策定されたものであり、環境配慮をうたう企業表示に対して消費者の信頼を確保することを目的としている。
ガイドラインでは、企業が広告や表示を行う際に守るべき5つの基本原則を示しており、主張が正確かつ検証可能であること、消費者にとって誤解を招かない平易な表現を用いること、主張に実質的な意味があること、必要な補足情報を明示すること、そしてすべての主張が信頼できる根拠に裏付けられていることを求めている。これらの原則は、消費者が製品を選択する際の意思決定を妨げないよう、科学的・事実に基づくコミュニケーションを促す設計となっている。
CCSは今回の発表にあたり、主張の妥当性を判断するためのケーススタディをガイド内に盛り込んだ。これにより、事業者は自身の主張が不当表示とみなされるリスクを事前に点検できる仕組みとなっている。さらに、CCSのアルヴィン・コー最高責任者は、「すべての品質関連表示は消費者との信頼関係の基盤であり、客観的事実に基づく表現が求められる」と述べ、企業に対して誠実な情報提供を呼びかけた。
本ガイドは拘束力のある規制ではないものの、不当表示があった場合にはCCSが消費者保護法に基づいて調査や是正勧告を行う可能性がある。また、消費者自身が虚偽や誤解を招く表示を見つけた際には、シンガポール消費者協会(CASE)や広告自主規制機関(ASAS)に通報することが奨励されている。
(原文)CCS Issues Guide to Help Businesses Make Clear and Accurate Product Claims
(日本語参考訳)CCS、企業が明確かつ正確な製品訴求を行えるよう支援するガイドを発行